シンガポールは多民族国家であり、公用語が4つあります。
それぞれの公用語は、シンガポールの歴史や文化に深く関わっています。
英語は、シンガポールで最も広く使われている言語です。 かつての宗主国であるイギリス英語がベースですが、シンガポール独自の英語(シングリッシュ)も話されています。 英語は、異なる民族や文化のコミュニケーションのための共通言語として、またグローバルな経済発展のための国際言語として重要な役割を果たしています。 観光客が空港やホテル、観光施設や美術館で会話をする際は、英語で問題ありません。
中国語(普通話)は、シンガポールの人口の約7割を占める中国系住民の言語です。 しかし、中国系住民の多くは、中国南部の福建省や広東省から移住してきたため、普通話以外にも福建語や広東語などの方言も話されています。 中国語は、中国の文化や伝統につながる主要な言語として尊重されていますが、近年は英語の普及に伴い使用率が減少している傾向にあります。 なお、漢字については1976年から簡体字を採用しており、ホーカーの屋台などで見られる漢字は、そのほとんどが簡体字です。
マレー語は、シンガポールの先住民であるマレー系住民の言語です。シンガポールはマレー半島に位置し、歴史的にマレー系住民が住んでいた土地です。 そのため、マレー語はシンガポールの国歌や国旗などにも使われています。 マレー語は、公用語の中でも特別な「国語」として定められており、マレー系住民の文化を保護することが政府の義務とされています。
タミル語は、シンガポールの人口の約9%を占めるインド系住民の言語です。 インド系住民の多くはインド南東部のタミル・ナードゥ州から移住してきたため、タミル語が主に話されています。 タミル語はインド系住民を代表する形で公用語に選ばれましたが、他にもヒンディー語やグジャラート語などの少数言語も話されています。